成長期の反対咬合(受け口)の治療目標

受口の原因は、1)上顎の成長が弱い2)下顎の成長が強い 3)歯の傾斜に因る

 4)1~3の混在型の4つに分類されます。

上下顎の成長時期が異なるために、それぞれの時期に必要な治療をしましょう


★上顎の成長

上顎は7才から8才にかけての1年間で、急速に成長します。そしてこの時にできあがった上顎の大きさが、そのまま生涯の上顎の大きさとなるのです。そのため、この時期に上顎の成長が遅れているお子様はその成長を促し、反対に上顎が突出しているお子様はその成長を抑える必要があります

★下顎の成長

下顎は11才の半ば位から、約3年間成長を続けます。

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@1次治療:あごの成長の促進や抑制を行い、そのままにしておくと成長に悪い影響をあたえる噛み合わせを治療します。またでこぼこの前歯にならないようにあごの骨を広げたりします。あごの骨がまだ柔らかく、これから成長していくお子さまだからこそできる治療です。さらに、1次治療であごの骨を整え大人の歯がきちんと並ぶ土台ができるため、2次治療そのものが必要ない場合もありますし、多くの場合、部分的な歯列矯正で済んでいます。

@2次治療は、すべての歯が永久歯になってから(通常は中学生頃)行い、すべての歯がしっかりと咬むように個々の歯の位置を整えます。すなわち、1次治療は骨の治療で、2次治療は歯の治療と言えます。

 

 ★65か月の受け口の方です。乳歯列期に治されたので、上顎の成長が得られ、下顎の成長方向のコントロールができました。

6Y5m6Y11m:チンキャップ→上顎リンガルアーチ+上顎前方牽引装置

9Y1m9Y9m:上顎にクアドヘリックスで拡大し、上前歯ブラケット

 

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★8歳11か月の受け口の方です。

5歳で中耳炎既往、6歳にアデノイド、口蓋扁桃摘出。

∠ANB(上下顎の位置関係を示す。平均3.4±2.1°)がー3°です(マイナスは骨格的反対咬合で、外科矯正の適応)。8ですが、すでに強い骨格性咬合です。

上顎前方牽引装置を長時間(11-13時間、時に14時間)使われましたので、上顎の成長が得られました。

*なかなか上顎前方牽引装置を12時間以上使うのは、お稽古事や塾で忙しいお子様にとって、困難なことです。(12時間使おうと思えば、夜7時から、朝7時まで使います)。よく頑張られました

 

違う方ですが、上顎前方牽引装置、よく使われています(^^

毎日10時間以上、土曜や日曜は一日中使うとのことです。

とっても良くなってきています。

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★成長には個人差があります

このかたは13-17歳で下顎が前方に大きく成長しています。

鼻咽喉疾患が影響している可能性が考えられます

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いったん治っていた反対咬合が、第二次成長期(中学生位)の全身発育に伴って再発する場合があります。そのような場合は、どうしても永久歯の抜歯や外科手術を伴う矯正治療に移行せざるをえないケースが出てきます。ある医院の報告では、反対咬合が再発し5%程度の方が再治療が必要となりました。また、1~2%程度の方は、外科手術をともなう矯正治療が必要となります。これも、言い換えれば、98%の方は、通常の矯正治療で治療可能と言うことになります。

 

 

反対咬合、成長による再治療症例★本から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考】1【骨格の成長パターン(反対咬合と上顎前突)】

反対咬合の方は成長と共にさらに下顎が前方に成長します。上顎の発育能が低く、下顎の発育能が高いと言えます。

反対に上顎前突の方は身長が伸びる2次成長期にも、下顎の前方成長が望めません。下顎の発育能が低いと思われます。